満す美寿司のランチ 

吉原遊郭の名残を残す寿司店



 以前、山谷の路上でつまむ超ユニークな立ち食い寿司店「駒寿司」を紹介したことがあるが、『ほていや』から直線で300メートル先にある土手道り周辺には、昔は立ち食い寿司店が多数営業していたそうだ。今回は、かつて立ち食い店として吉原の外れにオープン、創業56年目になる「満す美(ますみ)寿司」を紹介する。

 実はここのお店の二代目(長男)は小学校時代同級生で、クラスも同じだった。吉原遊郭から100m程しか離れていないような小学校だったので、吉原最後の引手茶屋の息子など遊郭関係の子供たちと同級だった。そんな縁から両店に泊まりに来た人で「この辺で安心して食べられる寿司屋はないかと」と聞かれるといつも満す美寿司のランチを薦めることにしている。
 僕がコーディネイトして現在新宿本庁舎など都内に三ヶ所ある東京観光情報センターや雷門の浅草文化観光センターなどで配付中の「北部浅草マップ 英語版」を協賛してもらっているので、寿司好きな外国人も紹介しているし、「江戸料理の発信地 山谷」というテーマでお店を雑誌に紹介、投稿したこともあった。

満す美寿司の全景
満す美寿司の玄関

 元々初代は吉原遊郭があった敷地内の(メインストリート)仲之町から一本入った場所で別商売をしていたが、昭和33年(1958年)に今の土手通り沿いに店を移し立ち食い寿司屋をオープンさせた。

 ↓ 満す美寿司のランチメニューの案内板 (ランチは三種類から選べる)
満す美寿司のランチメニュー
満す美寿司のメニュー
 ↑ 満す美寿司のメニュー 最新の値段表はお店で確認ください

 浅草フランス座での下積みの時代、寅さんこと渥美清はよく関敬六と連れ立って満す美寿司へ食べに来ていたそうだ。「無口な渥美清の前でしゃべるのはいつも関やんだった」と明かしてくれたのは創業者のお父さん。実は同級生の二代目は、創業者のお父さんと渥美清の結婚式に出席するほどの仲だったそうだ。
 後に浅草六区のフランス座時代からの盟友、渥美清と関敬六とスリーポケッツを結成した谷幹一も駆出し時代の常連客。また、当時人気絶大だった五代目古今亭志ん生師匠の息子さん三代目志ん朝師匠もよく若い頃食べに来ていたらしい。

 ↓ 浅草の下積み時代、渥美清は関敬六と連れ立ってよく食べに来ていたそうだ
フーテンの寅さんも常連さんだった !?
若い頃の古今亭志ん朝と谷幹一も満す美寿司の常連客
 ↑ 厨房の中に入る谷幹一(左)と若い頃の古今亭志ん朝(右)の写真も店内に

 この満す美寿司のカウンターの下には、意外な秘密が隠されている。それは握り寿司が屋台から始まり立ち食いとなって進化、そして今や回転寿司やスシ・バーとなって全世界に日本食ブームを巻き起こしている寿司の歴史が残されている。

 ↓ 既存のカウンターを上げ、中の水栓へ蛇口を付けて一人別の台を…
満す美寿司の秘密 カウンターを上げて
満す美寿司の秘密 蛇口を取り付け
満す美寿司の秘密 一人別の台を置く
満す美寿司の秘密 はい、昔式に早変わり
 ↑ 現在のカウンターを上げると下からかつての手洗いシステムが…

 握り寿司が小腹塞ぎの屋台営業から始まった当時、食べ終わった客は屋台の暖簾(のれん)で手を拭いたそうだ。創業当時の満す美寿司も屋台食と同じ立ち食いシステムで、客はすしを手でつまんで脇の水栓で手を洗いながら食べていた。そして、帰りしなにはその手を暖簾で拭いていたそうだ。昔の屋台同様、暖簾の汚れ具合がそのお店の味と繁盛の証しとなっていた。

 ↓ 苦労の末すし店へ転業した創業者のお父さんと二代目の増田君
創業者のお父さんと二代目の増田君

 創業者のお父さんは銀座亀八寿司で修行後独立して、吉原土手で立ち食い寿司屋をオープンさせた。御年92歳のお父さんは最近まで現役寿司職人だった。

寿司の出前に使う自転車
↑ このクラッシクな自転車は今も出前に使う現役

 満す美寿司のある吉原の名の語源は、遊郭が日本橋の人形町にあった頃、葦(あし)の生える原っぱということで「葦原」(あしはら)といったのが「悪(あ)し原」という縁起の悪い音の響きにも通じることから、葦原(よしはら)が転じて善し原⇒吉原(きちげん=よしはら)という縁起のいい呼び名になったらしいが、江戸城の天守閣までが焼け落ちたという江戸の大火、振袖火事の後、山谷の「浅草田圃」に吉原が移る前から、売春防止法施工の猶予期間も含め、昭和33年(1958)2月28日の閉鎖まで、吉原の歴史は実に341年間も続いたという。

 吉原という特殊地域を生業(なりわい)として営んできた人たちにとって吉原遊郭の閉鎖は人生一大の転機となった。満す美寿司の創業者は吉原で貸座敷業「旧マスミ」を営んでいたが吉原遊郭の終焉とともに職を失い飴屋など職を変えながら寿司屋へ転業、苦労の末に満す美寿司をオープンさせた。
 今の満す美寿司の建物のコンセプトは、遊郭を造っていた大工が、建てるなら記念になるものをと提案、「遊郭を模した贅沢な造り」としたのが始まりだった。檜皮葺を使って竹を渡した船底天井、床の玉石やカウンター下のタイル張り、装飾を彫り込んだ欄間など等…、そして檜の一枚板を組み込んだ小上がりなど随所に遊郭に好まれた内装造りをモチーフにしているので往年の吉原の雰囲気を店内で味わえる。

 ↓ 新吉原の入口“大門”があった場所を横に折れたところに「マスミ」の屋号を発見 !!
マスミの歴史 を辿ると
カフェー建築時代の屋号

 実は、満す美寿司所縁の「旧マスミ」以外にも、旧吉原当時を偲ばせる建物が大門跡地を曲がったところに現存している。この一帯には、当時のカフェー建築の名残を残す遺構らしき、普通とは違う装飾の施された枯れた建物を発見出来る。散策すれば、かつてあった「旧プリンセス」や「旧モリア」など、カフェースタイルの店舗跡を探し出せるかも知れない。

裏町の名残 ①②③


ランチメニュー 14:00まで
● にぎり寿司= 900円 (みそ汁・お新香付き)
● ちらし寿司= 900円 (みそ汁・お新香付き)
● バラちらし= 1,000円 (みそ汁・お新香付き)人気メニュー
主な寿司メニュー
● にぎり/ちらし(並)= 1,200円
● にぎり/ちらし(上)= 1,600円
● にぎり/ちらし(特上)= 2,500円

満す美寿司の情報
◎ 場所= 『ほていや』から徒歩4分程(矢吹ジョーの像の真ん前)
◎ 営業時間=(水)~(月)
⇒ 11:30am~23:00pm (準備のため14時~17時まではお休み時間)
◎ 定休日= 火曜日
◎ 電話番号= 03-3873-5194
(※) かつて立ち食い寿司店だった名残の水道栓などは、今はカウンターの中に隠されて見ることは出来ません。予めご了承ください。また、このブログの中のお店情報は最新ではないかも知れないので、利用する前に一度確認してから入店を !!

 ↓ 通りに面した満す美寿司の反対側には「あしたのジョー」のフィギュアが
土手通りの反対側からジョーが見守っている


◆ 満す美寿司の裏手周辺を歩けば新吉原遊郭の遺構を発見することが出来る ◆

◎ 現在の吉原公園はかつて大見世の中でも最高クラスだった「大文字楼」があった場所。
◎ その公園口の登り階段は遊女の逃亡を防ぐために造られた「お歯黒どぶ」の名残。
◎ その昔、遊客が名残を惜しんで振り返ったという場所には「見返り柳」が今も揺れている。
◎ 鷹狩の江戸将軍から廓の中を見えなくした大きな“くの字”の急カーブが「五十間道」。
◎ 計画的に小高く碁盤目状に整地した広さ3万坪(東京ドーム二個分)の区画は、地形から道筋、区割までもがお江戸の昔のまま。


◆ 「新吉原遊郭 “ためになるトリビア” 」は⇒こちら
◆ 「路上でつまむ立ち食い寿司店 『駒寿司』」は⇒こちら
◆ 「東京・山谷周辺 日本そば屋さんの情報」は⇒こちら
◆ 「Asakusa Bar map」 pdf 版は⇒こちら


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