東京・山谷「大林」 ~緊張感漂う哀愁酒場~ 

酒場愛好家の㊙スポット「大林」



 つい先日、焼酎の売り上げ日本一(実は世界一)の立ち飲み屋「世界本店」が泪橋にあった話をしたが、他にも『ほていや』から半径わずか100㍍程の距離に、夜明け前にオープン、昼過ぎにはもう閉店の立ち食い寿司店「駒寿司」や、漫画“孤独のグルメ”第一話に出てくる一膳飯屋「きぬ川」など山谷以外では絶対にお目に掛かれそうにない寄せ場の名残を残すディープなスポットを紹介し続けてきたが…。

 この近くで「面白いお薦めの飲み屋は?」などと山谷が初めてという旅行者から聞かれた時、食事より飲む方が目的だというならば、フロントから歩道に出てマンモスの方向に生ビール型の電飾スタンド看板が点灯していることを確認、指刺しながら第一番目に教える酒場がある。

夕暮れの大林酒場
 ↑ 夕暮れになると頑丈そうな鉄製の柵が開き、呑んべぇの至福の時間が始まる

 東京の個性ある隠れた酒場をアラ還世代の呑んべぇ三人組みが飲み歩いて綴った酒場愛好家の手引書「下町酒場巡礼」。その表紙を飾った酒場は、東京下町、浅草・山谷にある超レトロな酒場「大林(おおばやし)」だった。

 高い天井と使い込まれた無垢板のカウンター。店の倍以上もありそうな庭から夕暮れ時には西日が差し込む。壁に掛けられた神棚とミリ単位寸分の狂いもない位置に置かれた酒瓶類のディスプレイの数々。タイムスリップして昭和の時代に迷い込んだかのような雰囲気は、ちょうど三代目三遊亭金馬の落語「居酒屋」を彷彿させられる。

 暗黙の店のルールがあることはネット情報などでご案内の通り。この酒場に一歩でも入った者は、レフェリーである店主に絶対服従という弱い立場のまま、そして緊張感を保ちながら静かに飲む。それが第一番目のルールだ。
 緊張感が必要な店といえば「恐れ入谷の鬼子母神」で有名な入谷の真源寺と上野駅(入谷口)の間にあり、15年以上も熟成させたコーヒーを僅か制限時間30分以内で飲まなくてはならない超マニア向け喫茶店「北山珈琲店」があるが、そこの酒場版といった感じのお店が「大林」といえそうだ。

東京・山谷「大林」
 ↑ この呑んべぇの手引書は、今なお同種の書物や
   メディアのリサーチなどにも影響を与え続けている


 第二番目のルールは、客は日本人でなければならない。仮に日本国籍を持ったと者としよう、しかし顔の造りが濃い~ソース顔だと断られる可能性が大らしい !?
 その他、エアコンなしの店内では撮影禁止、ケータイなど通信機器の使用(手許所持)禁止、大声禁止、多人数での入店不可など等…。どうも「cafe Bach」同様酔っぱらってからの梯子客の入店も“NG”らしい。そんな店の暗黙でも厳格なルールが存在し、寡黙な店主の「ツーアウト・ポリシー」から無言でテーブルに置かれた木札の“イエローカード”後の違反者は、容赦なく“レッドカード”で即退場となる。
 大林がきっかけで『ほていや』の常連になった人の話では、慣れてくると気の優しいオヤジさんに変身するらしく、大林が始めての女性客が店内で寒そうにしていると石油ストーブをそっと傍に近づけてくれたり、「こんなお酒もあるんだよっ」と親切にもアドバイスをしてくれたりとネット情報の中の「怖そうな親父」とはまた異なる別のイメージも持ち合わせているようだ。

大林も山谷騒動の舞台に…
 ↑ 大林は、かつて山谷騒動の舞台になった時代もあった
   (写真後ろ手に別館『えびすや』の屋根が見える)


 大林の前を走る山谷通り(今の吉野通り)は、終戦後日本有数の寄せ場となってからは職を求めて早朝夜明け前から数千人の日雇い労働者たちが集まる場所になった。さらに昭和30年代後半からバブル崩壊頃までの間には、左翼(騒動屋)と右翼(暴力団)との間で地域の縄張り争いがあって、学生運動の時期よりもっと前から警官隊(機動隊)が出動するような場所だった。残念ながらその頃から「山谷=危険な街」という既成概念が世間に植え付けられた。

 テレビ東京の土曜の夜の人気番組 アド街ック天国 「山谷・泪橋」の番組リサーチの際、ADさんから差し出された名刺さえ受け取らなかった店主だったが、その時の放送でランクインした“哀愁の酒場”は、元々断られた「大林」の店内撮影をイメージしたコーナーだったらしい。実は店主は同じ屋号の「大林(おおばやし)」という宿主でもあることから、同業の好(よしみ)でADさんに代わってロケ依頼に行ったがやはり無理だった。その時、店の外観を撮るのは構わないということで、アド街のオンエアー時は二度も店の玄関が出ていた。
 最近は、サブタイトル「浅草の名店百選」という本でも紹介され、枯れた酒場をこよなく愛す若い女性も来店するようになったと聞く。

 他では味わえそうにないお酒のライナップも多彩で、ミルクやトマトジュースで割った焼酎から味醂で割った「タカラ本直し」という今では忘れ去られたマニアックなお酒まであるのはいかにも山谷らしい。この店は、寄せ場だった名残の、それも博物館級の店内でひとり静かに時間を忘れて“酔う”という行為だけに特化した酒場ではないだろうか。


【 主なつまみ類 】
冷奴、玉子焼き(目玉焼き)、チーズ、牛もつ煮込み、シューマイ、山かけ、まぐろ刺身、ニラ玉炒め、いかフライ、串カツ、豚肉生姜焼き、カツ煮、カツ丼、磯辺巻き、あべ川餅 など等。
【 主なアルコール類 】
瓶ビール(KIRIN クラッシック・ラガーの大瓶)、ハイボール、焼酎ハイボール、泡盛ハイボール、赤玉ポートワイン、デンキブラン、陶陶酒、白雪純米酒、白鶴粕取焼酎、タカラ本直しなど等。

【 お店の情報 】
◎ 場所= 『ほていや』から徒歩0分(マンモスの手前)
◎ 営業時間=(水)~(月) 夕暮れ~21:00(?)
⇒ 20:30pm がどうもオーダーストップらしい
◎ 定休日= 火曜日
◎ 電話番号= 非公開


(※) 大林へ行く時は大人数は避け、店内では店主のご機嫌を損ねないよう静かに酒を楽しもう。かつて重労働の現場で疲れ果て、骨休めに山谷のドヤ街に戻った日雇い労働のおじさんたち。そのおじさんたちを長年癒し続けてきた哀愁酒場だと意識しながら昭和の時代の雰囲気を堪能してください。

なお、インターネットの情報の中には大林のことを「だいりん」と紹介しているページもあるようだが、「おおばやし」に間違いないことは店主からも確認済だ。他にもこのブログの情報は正確とはいえないかもしれないので、利用する前にもう一度確認してから入店を !!
◆ クチコミサイト「WEB STA」の大林のページは⇒こちら

◆ 寄せ場で使う用語が分からない人へ ◆
 寄せ場用語の基礎知識(東京・山谷編)は⇒こちら

◆ 北千住の「大はし」と南千住の「大林」は⇒こちら

◆ 東京・山谷周辺 日本そば屋さんの情報は⇒こちら

◆ Asakusa Bar mapの pdf 版は⇒こちら



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