落語や歌舞伎の舞台を歩こう!(その三) 

雪景色の「山谷堀」を舞台とした夢覚め噺

 昔の噺家で誰が好きかと問われれば、噺のマクラで「破壊された顔の所有者」と名乗る四代目柳亭痴楽や講談で鍛えた語りで登場人物の区別が抜きん出てリアルで、しかも歯も“金歯”だった三代目三遊亭金馬。僕と同じ小型映画マニアでキャッチコピーが「上から読んでも下から読んでも」三笑亭笑三など等、十人位が頭に浮かぶ。
 しかしながら、ひとりだけを選べと言うなら、迷わず五代目古今亭志ん生と答えるだろう。高座で数々の逸話が語り継がれている父志ん生の二男、三代目志ん朝の「夢金」を暑苦しい夏には涼しげな噺もいいかも知れないとドライブしながら聞いた。

 舞台は『ほていや』からほど近い山谷堀の、雪が舞うある一軒の船宿。船宿の二階で寝ている欲張り船頭、熊蔵の「百両欲しいィ~よっ」という寝言から話は始まってゆく。

 その雪模様の夜に招かざる客が…。船宿の戸をたたく一癖も二癖もありそうな顔に刀傷のある浪人風体の男。その男とは似ても似つかぬ連れの娘。年の頃十七~十八の色が抜けるような白い肌の、色気があっても品のいい、その時分の美人の典型、“三日月眉毛に涼しげな目”。平成の現代なら“細い眉毛に暑苦しい目”が美人らしいが、どこかの御大家のお嬢様といった感じの、なぜか“足袋裸足”の娘とのワケありの二人連れ。
 「兄弟で浅草まで芝居見物の帰りで一艘頼みたい」、「酒手(チップ)を遣わすぞ」という男の言葉に、金にめっぽう目がない熊蔵さんは吾妻橋を超え、大川(隅田川)へと屋根船を漕ぎ出す。さて、そのどんでん返しの結末は…。

 吉原が華やかし時代は、船宿の二階は飲食出来る文化サロンのような場所だったらしい。
お江戸の昔、吉原通いの粋客が乗る船を「山谷船」、通人が履く高級な履物は「山谷草履」と呼ばれていたという。
 山谷堀は、下の画像の上流で狭くなっていて御大尽でも舟を降ろされ徒歩か籠で日本堤(土手通り)を廓の玄関、大門口まで通うことになる。

↓ 山谷通いの粋客が、小舟で新吉原へ向う通い道、「雪の山谷堀」 明治初期の写真
屋根船が浮かぶ雪の「山谷堀」

  意外や冬の屋根船の中にはコタツも用意されてい
↓ て思いの外快適だったらしい(江戸時代の浮世絵)

歌川豊国「雪見八景 晴嵐」

↓ 山谷堀公園の今戸橋の親柱近くに立っている山谷堀の歴史を書いた説明書き
山谷堀公園の掲示物

 山谷堀という水路は、元吉原が山谷に移転してからは新吉原へ続く粋な七百㍍の通い道となった。投げ込み寺を左に折れ、三ノ輪橋を通り音無し川へと繋がるこの掘割は、今は暗渠の上の桜並木が並ぶ「山谷堀公園」という細長い公園となっているが、九っあった橋の親柱のほとんどが公園の角に現存している。
 YouTubeにUPしている、山谷通りを通る「都電22番線」の動画には、吉野橋の場面で、都電22番線が暗渠になる前の山谷堀を超えるシーンを見ることが出来る。カラーの動画としたらとても貴重だと思っているのでぜひ一度ご覧ください。
 また、根岸にある御行の松前にあるマンホールに耳をすませてみれば、今でも山谷堀への水流が大きな音で確認することが出来る。

 さて、近代創作落語の祖として畏敬の念を込め〔大圓朝〕とも呼ばれている初代三遊亭圓朝を偲び、毎年8月に「圓朝祭」という催しが圓朝が眠る台東区谷中の全生庵を中心に一ヶ月間開かれる。生前圓朝が趣味で集めた幽霊画もその時期だけ公開される。その命日近い日曜日にたった一日だけ「圓朝まつり」という噺家のユニークなお祭りがある。
 落語協会などが営む非公開の法要形式だったものを、2002年から“落語ファンへの感謝デー”というような形の一般人も参加出来る祭り形式へ改め、圓朝の命日に近い8月上旬の日曜日に開催するようになったという。
 昨年8月、一般参加の形の10年の節目として、残念ながらまつり自体に幕を下ろすと聞いていた。しかしながら最近ネットで確認したこころ、嬉しいことに「圓朝まつり」が全生庵裏手にある「防災広場・初音の森」へ場所を移して8月5日に開催されるということが分かった。 

圓朝まつり 2012

 以前、旧会場の時に「圓朝まつり」がどんな祭りかと出掛けてみた時の写真をまた々紹介したいと思います。

↓ 圓朝のお墓の前で笑顔でポーズしてくれた「林家きく姫」さん^_^ 圓朝まつりの画像 ①

  有料だが出囃子のリクエストも出来る。例えば、故五代目「古今亭志ん生」の
↓ ファンならリクエストして「一丁入り」を生演奏で聞ける 
圓朝まつりの画像 ②

 まるで大学の学園祭にでも紛れ込んだような感じの催しで、テレビなどでお馴染のプロの落語家と洒落合いながら至近距離で触れ合える。会場内には多数の“芸人屋台”も出店するが、その屋台も遊び心が効いていて、よく々屋台の名前見ると落語の演目などのもじりだったりと…。
 屋台が早仕舞するかも知れないことも「芸人の体力切れのため時間前に閉店する場合もございます」とHPで言い訳するあたりは芸人の洒落っ気が出ていて面白い。何と言っても全生庵落語会と圓朝コレクションの幽霊画見学以外は“無料”で、しかも何度でも出入り自由というのは素晴らしい。

 場所柄、“谷根千”からの外国人旅行者も多く、東京で花火大会でもないのにこんなに浴衣姿が目に付く催しも珍しい。やっぱり下町は面白い!その他、奉納落語会や扇子お焚き上げ供養始め、ゴミ隊のパフォーマンスなど余興もあるので機会があったら一度は訪れてみたらいかがですか。

  真夏の「圓朝まつり」に浴衣姿はよく似合う
↓ 芸人屋台の出店が並ぶ会場は噺家ならではの洒落のオンパレード
圓朝まつりの画像 ③

  記念撮影に気軽に応じてくれる二代目「林家三平」^_^
↓ お気に入りの落語家と至近距離で触れ合える楽しいお祭り
 圓朝まつりの画像 ④

  昨年までの全生庵の本堂の階段上から見た主会場
↓ 本堂右手奥へ進むめば幽霊画見学(有料)の入口がある
圓朝まつりの画像 ⑤


【圓朝まつり】 社団法人落語協会 主催
日時= 2012年8月5日(日) 入場無料 ⇒何度でも出入自由
場所= 谷中「防災広場・初音の森」(東京都台東区谷中5の4の7)全生庵の裏手
  東京メトロ千代田線「千駄木駅」1番出口 徒歩5分
  JR「日暮里駅」西口 徒歩7分
  「東西めぐりん」なら⑮番バス停「三崎坂上」徒歩2分
  三遊亭圓朝法要・落語の奉納・落語協会会員物故者回向・扇子お焚き上げ供養
  芸人屋台出店(飲食店あり)、芸人ステージ・お宝オークション・全生庵落語会(有料)
  今年もゴミ隊パフォーマンスがあるらしいです。
(※)当日のタイムテーブル(予定) ← 詳細はこちらをクリック!

---------------------------------------------------------------------
北部浅草!東京・山谷(南千住エリア)の格安宿泊施設
『ほていや』&『えびすや』はこちら↓

Dorm Hostel EBISUYA (相部屋1泊 1,500円~)
団体室(グループルーム)最大10名まで宿泊可↓
最低料金10,000円(5名以上は1人@2,000円、5名未満は10,000円で貸切可)
施設案内は⇒こちら

Economy Hotel HOTEIYA (個室1泊 2,600円~)
(“約3畳”のシングルの小部屋を2名で利用すれば2名で3,700円)
家族室(ファミリルーム)最大6名まで宿泊可↓
最低料金8,000円(4名以上の場合1人@2,000円、4名未満は8,000円で貸切可)

2012年 最新の部屋紹介は⇒こちら
部屋紹介は⇒こちら
施設案内は⇒こちら

大江戸「北部浅草下町情報マップ」pdf 版は⇒こちら
大人気!「食いだおれおじさんのグルメマップ」pdf 版⇒こちら
下町大好き「千住情報マップ」pdf 版は⇒こちら
エコノミーホテルほていや動画は⇒こちら

出張・受験・就活・一人旅に!
女性・外国人も大歓迎!
1泊から長期滞在まで多目的で利用できる格安宿泊施設!
-----------------------
Economy Hotel HOTEIYA
エコノミーホテルほていや
〒111-0021
東京都台東区日本堤1-23-9
TEL:03-3875-5912

お部屋のご予約は
“SPOCOM.net”
www.spocom.net
にアクセスしてください!
-----------------------
ほていや⇒交通アクセス
● 東京メトロ日比谷線「南千住駅」南口より徒歩8分
● JR常磐線、つくばエクスプレス「南千住駅」徒歩9分
● 都バス「清川2丁目」下車すぐ!
● 台東区循環バス「めぐりん」北めぐりんの東浅草二丁目より徒歩2分


南千住駅から『ほていや』までの道順(地図)は⇒こちら
台東区循環100円バス!めぐりん情報は⇒こちら

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://hoteiya.blog47.fc2.com/tb.php/478-9f158a99